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【USCPA合格体験記 Vol.1】会計知識ほぼゼロから1年半で全科目合格(2018年3月合格)

2024年10月5日
  • USCPA全科目合格
  • USCPA勉強方法
  • USCPA試験
  • 合格体験記

2018年7月5日 / 最終更新日:2024年10月5日
※一部更新箇所はありますが、内容そのものは公開時のものとなります。

今回のUSCPA合格体験記は、2018年3月のScore ReleaseでUSCPA(米国公認会計士)試験に全科目合格された方より寄稿頂いた記事となります。USCPAを目指した理由から、学習時の苦労話、勉強方法、今後のキャリアについての考え、現在USCPA学習中の方への応援メッセージまで書き綴って頂きました。

■自分自身のバックグラウンド

大学の経済学部を卒業後、新卒で日系企業に就職しました。業界大手クラスの大企業でしたが、非常にドメスティックな会社だったため、海外赴任はおろか、英語を使った仕事いうものも経験したことがなく、仕事内容も入社以来、一貫して事務系でした。

■USCPAを目指した理由

入社5年目に夫のアメリカ留学が決まりました。当時勤めていた会社には、休職や復職の制度もなかったため、夫の留学に同行するには退職を選ばざるを得ませんでした。ここで初めて、自分の将来のキャリア設計というものについて真剣に考え始めました。夫は転勤族であり将来的にはまた海外赴任となる可能性があります。また、出産・育児というライフイベントも起こるとすれば、今後も自分自身のキャリアは何度も中断されることが予測されます。そうした事実を前提に、長期的にキャリアを築いていくには、専門スキルを身につけることが肝心だと考えるに至りました。

つまり、専門スキルという独自の強みを持つことにより、たとえキャリアが何度か中断されても、実務経験を経ながら、長期的には自分の価値を失うことなく高めていけるのではないかと考えました。そして、滞米期間はそのための準備期間として活用することを決めました。ビザの都合上、就業は不可能であったため、在米中は資格取得に集中することとし、その中でも『英語を活かせる』『2年以内で取得できる』『職業に直結する』『あらゆるビジネスに広く求められるスキル(汎用性がある)』という特性を持ったUSCPAがもっとも有用だと思い、最終的に目指すことにしました。

■USCPA学習中の体験(受験スケジュール・苦労したこと・勉強方法)

<受験スケジュール>
半年間で出願州の受験に必要な単位を取得したのち、はじめに会計の基礎知識をマスターするためにもFARを受験し、一度で合格しました。残りの科目もこの調子で一気に終えようと思いきや、2科目目のAUDは不合格。すでに3科目目のBECを勉強している最中でしたが、AUDの勉強再開を優先したためBECを中断。AUDとBECを連続で受験することとなりましたが、なんとかどちらも合格することができました。そして最後に残ったREGに集中して取り組み、合格。学習を本格的に始めてからおよそ1年半かけて全ての科目に合格しました。

<苦労したこと>
受験生活の中では様々な苦労がありましたが、その中で大きかったことは2つ思い出されます。

一つは英語力です。私の元々の英語力はTOEIC800点台程度なので、そこまで英語に対して苦手意識は持っていなかったものの、やはり試験を受験するたびに必ず知らない英単語や英語表現に直面し、頭を抱えました。特に、そのために題意が理解できない時が一番辛かったです。この対策としては、予備校の問題集だけでなく洋書などを含めてなるべく様々なタイプの問題を解くことで英語表現のバリエーションに慣れることにしました。また、TOEIC対策の単語帳なども当時勉強しましたが、問題文で使用される語句なども含まれており、一定程度の効果はあったと感じてます。ただ、難しいのは、英語力の増強ばかりしていては肝心の会計知識の蓄積が疎かになるということです。あくまで会計知識の勉強をメインに取り組みつつ、余力があれば英語も勉強するというのが理想的だと思います。

そして、もう一つ苦労したのは精神面でした。大学受験時代に比べると、むしろ物事の理解のスピードなどは速まったように思うのですが、やはり集中力の持続や学習時間の制約がネックであり、そんな状況に焦りがありました。また、2科目目に受験したAUDに不合格だった際には非常に落胆し、勉強を続ける気力を失いかけたこともよく覚えています。たった2回目の受験でと思われるかもしれませんが、当時は絶望的な気持ちになりました。それでも持ち前の根性でなんとか立ち直り、最後まで挑戦することを決意しました。逆にいうと、あのときに自分のお尻に火がつき、全力モードに切り替わったからこそ、ある程度の短期間で合格できたのかもしれません。

<勉強方法>
インプット期とアウトプット期に分けて取り組んだことを以下、箇条書きします。

【インプット期】
・基本は受講している予備校の講義を閲覧し、テキストをしっかり読み込む。
・科目によっては別の予備校を単科目受講。
(REGのみ、アビタスに加えてTACを受講しましたが、大正解でした)
・スケジュールに余裕があるときは英単語の勉強も同時に行った。
・BECのWC対策としては、予備校でもらった模範解答の文章を自分で音読して録音し、聞き流しながら、全文丸暗記する気持ちで取り組んだ。

【アウトプット期】
・模試は1ヶ月前(遅くとも3週間前)
・MCは各科目5回転はしたが、TBSは3回転程度。本来であれば、TBSも5回転くらい取り組むべきだったと反省。(実際の試験では配点も50%くらいなので)
・英語表現に慣れるために、洋書を購入した(Wileyを使用)。

■全科目合格しての感想と今後のキャリアについて

とても嬉しかったと同時に、ホッとしました。私は当初、勉強を開始してから1年数ヶ月で学習を終えるスケジュールを組んでいました。結果的にはプラス1ヶ月で、ほぼ計画通りに合格することができました。当初立てたスケジュールを絶対に守るという強い意志を持って臨んだことが奏功したのだと思います。やはり学習期間が延びれば延びるほど、モチベーションや記憶を保つのも難しく、精神的にも焦りが出てくるので、無理のない範囲で短期で計画を立てる、かつそれをできる限り守るというのも一つの方法だと思います。

今後のキャリアについては、まずは試験勉強を通じて得られた知識が比較的新鮮なうちに、監査の経験を通してUSCPAとしてのキャリアの基礎を身に付けたいと思っています。具体的には、国内の監査法人の監査部門にて何年間かに渡って業務経験を積み、USCPAのライセンスの取得を目指しつつ、財務・会計の専門性を含め、プロジェクトのマネジメント能力、クライアントとの関係構築能力などを習得する。そこで得られた知見を活かし、その後は長期キャリアを見据え、同法人のアドバイザリ部門や場合によっては事業会社の財務・経理部門へ転籍・転職することも選択肢に入れています。

■これからUSCPAを目指す皆様へ!!!

USCPAという資格は、巷(予備校の宣伝文句)で言われているほど簡単なものではないと個人的には思っています。ネイティブ並みの英語力や会計の専門知識(経理の実務経験など)がある方を除き、簡単に合格できる類の試験ではありません。例えば、日本の公認会計士と比べて合格率が高いと言われますが、受験者の大多数は英語のネイティブスピーカーであり、日本人の受験者は言語面において圧倒的不利がある状態で彼らと同じハードルをクリアしなければいけませんし、科目別に受験できるとはいえ、全科目の受験スケジュールを自身で管理し、定められた期限内ですべて合格しなければいけないことも精神的に大きなプレッシャーがあります。まずはこうした困難を認識した上である程度の覚悟を持って試験勉強に取り組むことが重要ですし、すでに取り組んでいて苦戦されていらっしゃる方には、そういう大変な試験なのだからと思って焦らず腰を据えて、粘り強く頑張っていただきたいと思います。

一方で、合格してからのキャリアの可能性の広がりというのは、USCPAの大きな魅力であると私は考えています。会計・財務の専門知識というのはどんな業界・国でも共通して求められるスキルであり、資格に加えて実務経験を積むことによって、USCPAの価値というのは大きく高まると思います。(この時代あまり言うべきではないと思いますが、)特に女性はライフイベント等によるキャリアの中断が予想されるので、労働市場で高く評価されるUSCPAの資格を持っていることは、長期的なキャリアの構築に非常に大きなメリットになることだと思います。そういった将来の展望を見据えながら、自分で定めた計画に沿って、目の前の課題にコツコツ取り組んでいけば、きっと道は開けると思います。

辛いこともたくさんあると思いますが、最後までどうか焦らずに、諦めずに、頑張ってください。応援しています!!!

■編集者より

編集者自身はUSCPAの学習そのものを経験したわけではないため、このような記事を作成することはできないのですが、新しい職場に移る前の準備でお忙しい中にありながら、貴重な合格体験記の寄稿にご協力頂けたことに深謝申し上げます。

どこかの予備校に偏ることのないニュートラルな合格体験記を今後も発信していければと考えています。

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