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大手監査法人におけるUSCPAの活躍先

2017年5月25日
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大手監査法人の中でも、日本の公認会計士だけを採用する部門、アクチュアリーや金融専門職の経験を持つ人材のみを採用する部門などが存在する一方、USCPA(米国公認会計士)を採用する部門も数多く存在します。

ここ数年間、売り手市場が続く中で、USCPAを対象に積極採用を行う部門が大幅に広がりました。選択肢が広がる一方で、「監査法人に転職したい」という気持ちだけで部門を選ばず転職してしまうと、その部門でできる仕事とやりたい仕事のミスマッチが発生してしまう恐れがあり、現実問題としてそのような事象が多々起きています。

「監査法人でどのような仕事がしたいのか」、「監査なのかアドバイザリーなのか」など、事前に方向性を考えた上で応募を進めていく必要があることと思いますが、方向性を決める上での一助になればと考え、大手監査法人におけるUSCPAの活躍先を挙げさせて頂きます。

■金融監査部門

大手監査法人内で、金融部、金融事業部、金融監査部などと呼ばれている部門となりますが、USCPA採用の歴史は長く、数多くのUSCPAが活躍されている部門となります。

仕事内容としては、銀行、証券、保険(生保・損保)、信託銀行、アセットマネジメント会社、ノンバンク、リース会社、信販会社等の金融機関、主に米国証券市場に上場している金融機関(三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、野村ホールディングス、オリックス 等 ※敬称略・順不同)及びその子会社、外資系金融機関の監査チームに入って、監査業務を行う仕事となります。

海外にも展開している金融機関や外資系金融機関へ監査業務を行う上では、海外提携ファーム(例えば新日本有限責任監査法人であれば、海外のEYメンバーファーム)とのやり取りも行う必要があること、また、基幹システムが全て英語であったり、監査先の対応者が外国人で英語対応が必要であったりなど、英語力を備えたUSCPAは重宝される存在となっております。

■一般事業会社向け監査部門(国際企業向け監査)

ひと昔前は国内監査部門と国際監査部門で組織を分けていた大手監査法人が多かったのですが、現在は明確に区分けしている監査法人は存在していないことと思います。海外に展開している会社の方がマジョリティを占めている中、敢えて国際監査部門と命名する必要性はないからかもしれません。

さて、一括りに一般事業会社向け監査部門と記載していますが、製造業、商社、情報・通信、製薬、化学、サービス業など、金融機関と公的機関を除いたあらゆる業種業界の企業向けに監査業務を提供している部門とお考え頂ければと思います。

この一般事業会社向け監査部門においてはUSCPA採用の歴史としては浅く、活発に採用を行うようになったのは2015年頃の話となります。日本の公認会計士試験合格者が減少傾向にある中で、会計監査要員の不足が深刻化し始めたことを背景に、大手監査法人を中心にUSCPAの中途採用を積極化し始め、その傾向は現在に至るまで年々強まっております。

主には日系グローバル企業、特にUSGAAPやIFRSで財務諸表を作成している企業や外資系企業の日本法人の会計監査においてUSCPAが活躍しております。

■会計関連のアドバイザリー部門

全ての大手監査法人に該当するわけではありませんが、2014年頃からUSCPAの採用を行い始め、現在の採用においては当初の募集と比較し経験やスキル面は緩和されております。

背景としては、監査法人における非監査業務の売上が伸びていることが大きな要因となります。2015年から2016年を比較しても、監査業務は約5%の増加に留まっていますが、非監査業務は約15%も増加している状況です。

そもそも非監査業務とは、その名の通り「監査以外の業務」のことを指し、IPO支援、M&Aアドバイザリー、ビジネスプロセス改革支援、リスク管理態勢の構築支援、ITリスク・セキュリティ対策支援など会計以外の業務も含む広範囲の業務となり、アドバイザリー業務と言い換えても差し支えないことと思います。

大手だけでなく中堅や中小監査法人においても、クライアント数に限りのある監査業務よりもアドバイザリー業務の拡充に力を入れてきたことにより、アドバイザリー業務が増加しているのですが、その業務への対応のために中途採用を積極的に行っているという背景がございます。

アドバイザリー業務の中でも会計関連にフォーカスした場合、2017年現在で主流となっているのがIFRS導入がとなります。2017年4月時点で、適用済及び適用決定会社は143社(日本取引所グループHPより)にまでのぼり、水面下で適用を進めている会社や今後適用を前向きに考えている会社も数多く存在しております。そのような会社に対して外部からIFRS導入を進めていくアドバイザリーの需要は引き続き堅調に推移しております。

IFRS導入支援においては、海外子会社を含めた検討や調整が必要となり、顧客対応や海外提携ファームとの連携も不可欠となります。日本の会計基準に対する一定の理解を必要とはしながらも英語対応が多々発生する業務となり、IFRSとの親和性が高いという意味においても、USCPAが活躍している業務の一つとなります。

また、上記のIFRS導入に一部関連はしますが、会計基準(財務諸表)のコンバージョン業務についても少し触れたいと思いますが、コンバージョンとは、ある会計基準に基づいて作成された財務諸表を、他の会計基準に基づいて作成された財務諸表に作成し直す業務、例えば、日本の会計基準からUSGAAPに組み替える、USGAAPからIFRSに組み替える、といった業務に関わっているUSCPAも数多く存在しております。

その他にも、海外上場支援、海外子会社を含めた連結決算プロセス改善支援、海外企業による日系企業買収後のPMIの一環としての会計プロセス構築支援など、アドバイザリー業務においてはUSCPAの活躍の場は多岐に渡ります。

■まとめ

監査法人におけるUSCPAの活躍先として、金融監査部門、一般事業会社向け監査部門、会計関連のアドバイザリー部門の3つを挙げさせて頂きましたが、職務経験よりもUSCPA合格に比重を置いた採用を行っているメジャーどころの部門となります。言い換えますと、会計未経験のUSCPA合格者を採用し入社後も数多く活躍されている部門と表現しても良いかもしれません。

それ以外にも、パブリックサービス部門でPPP/PFIのプロジェクト、金融アドバイザリー部門で海外金融規制に関わるプロジェクトなどで活躍されているUSCPAも存在はするものの、そもそも採用時にはUSCPA合格という観点よりもこれまでの経歴やスキルに重きが置かれる狭き門になり、まだまだ活躍されているUSCPAは少ないのが現状です。

とは言え、監査法人のアドバイザリー部門においては急速に業務が拡大している時代でもありますので、USCPAが活躍できる部門が今後新たに生まれる可能性も十分にあることと思います。

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