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移転価格コンサルティングに転職した事例のまとめ

2019年8月5日
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  • USCPA科目合格
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  • 転職ノウハウ

2017年11月28日 / 最終更新日:2019年8月5日

「USCPA未経験で監査法人に転職した事例のまとめ」と同様に、「移転価格コンサルティング」分野についても事例をまとめさせて頂きました。

税理士法人の移転価格コンサルティング分野は、「USCPAを取り巻く転職市場の変遷(その②:2009年~2012年)」でも触れましたが、リーマンショック後の2009年あたりから中途採用を積極的に行い始めてから8年程が経過し、今やUSCPA(学習の方を含む)は、移転価格コンサルティング部門の中途採用において、貴重な採用ターゲットとなっています。

USCPA(米国公認会計士)学習中の方を含め、USCPAの方々の移転価格コンサルティング分野への転職支援を行って参りましたが、当分野の転職に関わってきた人数としては50名以上、内定獲得の件数としては100件を超えていることと思います。

それらの事例をUSCPAの転職成功事例にも一部公開をさせて頂いておりますが、公開していない事例も含め、税理士法人の移転価格コンサルティング部門に転職した事例をまとめてご紹介したいと思います。とは言え、事例だけではお伝えしにくい部分や、角が立ってしまうこともございますため、事例の後に補足説明を加えさせて頂いておりますので、最後まで目を通して頂けますと幸いです。

※英語力について
 ☆☆☆ 英語堪能:帰国子女、海外大学卒、TOEIC900以上など
 ☆☆  英語上級:短期留学経験あり、仕事上英語を使用、TOEIC800点台など
 ☆   英語中級:留学経験なし、旅行で英語を使える程度、TOEIC800点未満

※注:非常に狭い業界ですので、個人が判明することがないよう、前職に関しては類似業界、類似業務に変更して記載している個所がございますこと、ご理解頂けますと幸いです。

■複数社から内定を得られた(可能性の高い)事例

移転価格コンサルティングの選考は、英語の筆記試験や面接を複数回実施するところも多く、経歴の列挙がどこまで参考になるのかわかりませんが、複数の税理士法人で内定を得られたケース、また、1社のみの応募に絞ったものの他にも応募していたら複数社の内定が得られたであろうと考えられるケースを含めて、以下にて13の事例を挙げさせて頂きます。

【1】前職:中規模国際会計事務所
   20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆

【2】前職:日系大手機械メーカー 経理
   20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆☆

【3】前職:日系大手電子部品メーカー 経理
   20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【4】前職:外資系中規模金融機関 アナリスト
   20代後半/男性/USCPA科目合格(2科目)/在籍社数3社/英語力☆☆☆

【5】前職:日系中規模不動産会社 総務経理
   20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【6】前職:海外Big4会計事務所 日系サービス部門
   20代後半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆☆

【7】前職:日系大手通信会社 経営企画
   20代後半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【8】前職:日系大手食品メーカー 海外子会社経営管理
   20代後半/男性/USCPA科目合格(2科目)/在籍社数2社/英語力☆☆☆

【9】前職:日系大手電機メーカー 海外営業・企画
   20代半ば/男性/USCPA学習中/在籍社数1社/英語力☆☆

【10】前職:日系大手システムインテグレータ SE
   20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆

【11】前職:日系大手エネルギー系企業 営業&経理
   20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【12】前職:外資系金融機関 ミドルオフィス
   20代後半/男性/USCPA科目合格(3科目)/在籍社数2社/英語力☆☆☆

【13】前職:海外アジア会計事務所 コンサルタント
   20代後半/男性/USCPA学習中/在籍社数2社/英語力☆☆

■苦戦しながらも内定を得られた事例

書類選考以降のステージに進めた税理士法人が1~2社のみで、若しくは選考試験や面接で落とされながらも1社のみ内定を勝ち得たという事例、通常より募集要件が低いタイミングで応募したことにより内定を得られた事例など、転職活動全体として苦戦を強いられたと感じる13の事例を以下にて挙げさせて頂きます。

【1】前職:東南アジア会計事務所 コンサルタント
   30代半ば/男性/USCPA科目合格(3科目)/在籍社数3社/英語力☆☆☆

【2】前職:日系小規模メーカー 経理
   20代前半/男性/USCPA科目合格(2科目)/在籍社数1社/英語力☆☆☆

【3】前職:日系大手証券会社 法人営業
   20代半ば/男性/USCPA学習中/在籍社数1社/英語力☆

【4】前職:日系大手証券会社 個人営業
   20代前半/男性/USCPA学習中/在籍社数1社/英語力☆☆☆

【5】前職:日系中規模金融機関 個人営業
   20代半ば/女性/USCPA学習中/在籍社数1社/英語力☆☆☆

【6】前職:日系中規模機械メーカー 経営管理部門
   30代前半/男性/USCPA学習中/在籍社数2社/英語力☆☆

【7】前職:米国現地会計事務所
   30代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆☆

【8】前職:日系大手食品メーカー 経理(派遣)
   20代後半/女性/USCPA科目(2科目)/在籍社数3社/英語力☆☆

【9】前職:日系不動産会社 個人営業
   20代半ば/男性/USCPA科目合格(3科目)/在籍社数1社/英語力☆☆

【10】前職:外資系コンサルティング会社 ITコンサルタント
   30代半ば/男性/USCPA学習中/在籍社数2社/英語力☆☆

【11】前職:外資系中規模メーカー 購買・調達
   20代後半/女性/USCPA学習中/在籍社数2社/英語力☆☆☆

【12】前職:日系大手電機メーカー 海外営業
   20代後半/男性/USCPA学習中/在籍社数1社/英語力☆☆

【13】前職:東南アジア会計事務所 コンサルタント
   30代前半/男性/USCPA科目合格(3科目)/在籍社数3社/英語力☆☆☆

■必ずしもUSCPAホルダーの採用というわけではない

事例をご覧頂いてお分かりかと思いますが、移転価格コンサルティング分野は、必ずしもUSCPA合格者やライセンスホルダーを採用するというわけではありません。

USCPA全科目合格者であれば選考の土俵に乗りやすい監査法人とは異なり、監査法人では内定を複数もらえそう、という方も、移転価格では書類選考通過すらも難しいのでは…、と感じられる方も数多く存在します。

USCPAは確かに採用ターゲットの一つではあるものの、USCPAのみの視点で選考を行うことはなく、現職及び前職の経験、英語力、保有資格、学歴、年齢など、様々な観点で総合的に判断することが多く、また、中には高い英語力を採用基準に定めているなど、各法人及び各拠点により採用基準はまちまちで、USCPAは選考を行う上での判断基準の一つという位置づけとなります。

また、移転価格コンサルティングの求人要項をご覧になられた方であれば、「移転価格に類似した業務経験者」という要件だったり、要件に英語力の表記しかなかったり、、、採用基準が分かりにくい、と感じられた方も多くいらっしゃることと思いますが、実際にどんな人物像を求めているかについて、以下にて筆者なりにまとめさせて頂きました。

尚、税理士法人によって重視する点が異なるのは当然ではありますが、同じ法人でも東京・名古屋・大阪の拠点ごとで採用基準が異なりますので、全てに当てはまるものではありません。実績をベースにしながらも、主観を交えつつ綴っていますので、鵜呑みにすることなく、あくまでも参考として考えて頂ければと思います。

【1】財務諸表に関わる仕事経験はBetter

財務諸表に関わる仕事経験とは、企業内の経理・財務・経営企画・経営管理などの業務経験者、監査法人における監査経験者、会計コンサルティング会社やシンクタンク出身者、また、上の事例ですと苦戦の方に入っていますが、銀行・証券(法人営業・審査・投資・アナリスト等)出身者などが挙げられます。

移転価格コンサルティングを行う上で、財務諸表の読解・分析は基礎中の基礎でもあります。これは法人・拠点によってはmust要件にしているところはあるものの、資格で補うことのできるものでもありますので、移転価格コンサルティング全体としてはmust要件ではありません。

【2】最低限の英語力はMust/高ければ高いほどBetter

既に移転価格コンサルタントとして働いているから、「あんまり英語使ってないな~」という現場の声も少し耳にするものの、毎日のように英語をガッツリ使っていますという方が大半で、移転価格コンサルティングを行う上で、英語は最低限、仕事上で読み書きを支障なく使えるレベルであることがほぼMustです。

TOEICでいうと、どんなに低くても700点台は必要。800点台前半で「若干不足かな…」というレベル、800点台後半から「まあ、問題なく行けるでしょ!」という感覚です。

これまでの入社実績ベースでは、900点台が50%、800点台後半が25%、800点台前半が20%、700点台が5%くらいの割合です。

【3】国際(海外)業務経験があるとBetter

【1】の財務諸表に関わる仕事経験に加えて、この経験を持っている方がいればかなり強いと言えますが、そう多くはいらっしゃらないことと思います。

これは必ずしも海外駐在経験を意味しているわけではなく、財務諸表に関わる分野でなかったとしても、例えば日本国内で勤務をしながら、海外事業企画、海外営業、グローバルサプライチェーンに係る仕事、輸出入に係る業務、海外マーケティング担当などの、国際(海外)業務経験を意味しています。

既に皆様ご存知かもしれませんが、移転価格という概念は国境を跨ぐ取引でないと発生しないため、移転価格コンサルティングの仕事は100%クロスボーダーの取引が対象となります。

海外提携ファームや部内の外国籍の人間とのやり取りという英語でのコミュニケーションという側面だけでなく、クライアントの海外進出先も全世界に渡り、各国の経済状況や産業規制、カントリーリスク、為替リスクなども調べていくことになりますので、ドメスティックな業務経験のみの人材より、国際(海外)業務経験を積んだグローバル感覚を備えた人材を求めがちです。

【4】在籍している企業規模が大きければ大きいほどBetter

「USCPA未経験で監査法人に転職した事例のまとめ」でも同じような記載をしていますが、在籍している企業規模も1つの要素になります。

移転価格税制に係る追徴課税の事例は中小規模に移りつつありますが、移転価格コンサルティングの対象である既存顧客の多くは、大規模なグローバル企業が中心ですので、大企業の方と同じ目線で話ができる、大企業の業務の流れや、意思決定に至るまでのプロセス、事業の複雑性などを理解している等の視点でプラスに影響されます。

また、移転価格コンサルティングは非常に機密性の高い企業情報を取り合うことになりますので、企業情報の流出は絶対に避けなければなりません。そのリスクを避けるため、「大企業出身」=「コンプライアンス教育がしっかりなされている」=「安心して採用できる」という観点も入ってきます。

【5】学歴は高ければ高いほどBetter

上の事例にも学歴を盛り込もうと思いましたが、区分けと表記方法が難しく記載しませんでした。ただ、学歴もそこそこ重要なポイントになります。

これまでの入社実績ベースでは、私立大学目線でお伝えしますと、関東の大学では「MARCH」以上、関西では「関関同立」以上が90%を占めています。学部で言うと、経済学部や商学部系統が大半を占めますが、法学部や理系出身の方も一定の割合存在します。

移転価格コンサルティングを行う上では、あくまで「移転価格」という固定したテーマのもとで、且つ独立価格比準法や原価基準法などいくつかのパターンが存在している中でのコンサルティングとなりますため、戦略・経営コンサルティングほどの論理的思考力まで求められることはありませんが、多種多様な産業の市場や各国の経済状況などを理解した上で、クライアントによって異なったアプローチをしていく必要がありますので、一定の論理的思考力や理解力がないと業務についていくことはできません。

単純にどこの大学を出たからといって、その能力を推し量れるものではありませんが、指標として学歴は最も分かりやすいものであることも事実です。

【6】会計・財務系の資格はもちろんあった方がBetter

公認会計士、税理士の資格が最も評価されうるものになりますが、税理士は資格や業務の性質上、上記【2】【3】あたりを備えている方はかなり少ないため、税理士は除外しても良いかもしれません。

もちろん、USCPA(米国公認会計士)も高く評価される資格の一つですし、業務経験や他の評価要素によっては、複数の科目に合格している、若しくは学習中の段階でも評価されうるものです。

他にも、証券アナリストやCFA(米国証券アナリスト)、日商簿記1級、税理士科目合格(簿記論、財務諸表論など)、また、資格ではないですが、MBA(経営学修士)や国内外の会計大学院卒などもプラス評価の対象になり、会計という側面で言えば、日商簿記2級を最低ラインとし、それを超える高位の資格を保持しているのであれば、プラスに影響することと思います。

難易度の高い資格試験にチャレンジしているという事実だけでも、移転価格コンサルティングにおいて必要とされる探求心、プロフェッショナル志向があるという1つの証明にもなりますので、学習中であったとしても経歴書類内で触れておくだけでも効果があります。

【7】社会人経験3年~5年がBetter

そもそも日本における移転価格税制は、1986年の税制改正時に導入され、日本では30年強の歴史しかありません。各Big4税理士法人も2000年前後からチームや部門を発足し始め、サービスラインの一つとして定着してから20年程。

移転価格税制そのものの歴史が浅い、つまりサービスとしても歴史が浅い分野となり、当然、移転価格コンサルティング部門も組織も若いです。国税出身者は除外して、30年、40年この業界に身を置いてきたという方は存在せず、他部門に比べて成熟しきっていない、言い換えるとまだ若い組織とも言えます。

部門を率いるパートナー陣にも若い世代が多く在籍し、アソシエイト/スタッフと呼ばれる職位(一般的に移転価格に係る経験がない場合の入社時職位)で働く方は20代が大半となっています。年齢制限はもちろん設定してはいないものの、上記の事例からも傾向が読み取れることと思います。

逆に、中途採用の枠組みで入社した場合、纏まった研修を行うことなく、すぐに現場でOJTをしながら働くことになりますので、既卒未就業で移転価格コンサルティングに入ったという事例は私が関わった限りではございません。社会人経験3年以上という条件を設けているところもあり、1年~2年の社会人経験ですと少し短いかな、という印象です。

■最後に・・・

どんな内容にしようかノープランのまま書き始めたところ、事例を集め骨子を考えながら作っていくうちに、「あれっ?これも重要だな」と思われるものが増えてしまい、結果的に長文乱文になってしまいました。。。

ほぼ全て「Better」という形で記載させて頂いた通り、必ずしも上記を全て満たす方を求めているわけではありません。時期によって、若しくは不定期に採用意欲が上下する業界でもありますが、上記7つの要素のうち、4つ以上のBetterにあてはまりそうだな、と感じるのであれば、採用意欲の上下に関らず移転価格コンサルティングにチャレンジしてみる価値はあることと思います。もちろん3つ以下だからと言って可能性が閉ざされるというわけではありません。

最後に、以前から移転価格コンサルティング部門で新卒採用(大学卒・大学院卒)を行ってきている税理士法人1社はプロパー社員の活躍も目立ちますが、「〇〇さん活躍しているよ~」「〇〇さん今度シニアに昇進するよ~」「この〇月でマネージャーに昇進しました!」という話を聞くのは、USCPAホルダーが圧倒的に多いなぁ、という印象はあります。

移転価格コンサルティングを経験した後に転職活動を行う際にも、やはりUSCPAを保持しているのとしていないのとでは、転職の選択肢も採用に至る可能性も異なることと考えていますので、入社の前後を問わず、USCPAはしっかりと取得しておいた方が良いかと思います。

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