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USCPA未経験で監査法人に転職した事例のまとめ

2022年7月19日
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  • 転職ノウハウ

2017年8月19日 / 最終更新日:2022年7月19日

USCPA(米国公認会計士)全科目合格者、USCPA科目合格者の監査法人への転職支援をさせて頂いておりますが、経理財務経験者や会計事務所で勤務していた方もいれば、営業やシステムエンジニア、物流管理、サービス業、一般事務、塾講師など、前職のキャリアは様々です。

USCPAの転職成功事例にも一部公開をさせて頂いておりますが、公開していない事例も含め、USCPAに(科目)合格し監査法人に転職した事例をまとめてご紹介したいと思います。

経理財務経験者や会計事務所経験者、コンサルティング業界出身者等を除外し、なるべく「会計業界とは関わりの薄い経験」から転身した事例、且つ、2017年時点の転職市場との近似性を重視し、その直近3年間での事例のみを挙げさせて頂きます。

※英語力について
 ☆☆☆ 英語堪能:帰国子女、海外大学卒、TOEIC900以上など
 ☆☆  英語上級:短期留学経験あり、仕事上英語を使用、TOEIC800点台など
 ☆   英語中級:留学経験なし、旅行で英語を使える程度、TOEIC800点未満

※注:個人が判明することがないよう、前職に関しては類似業界、類似業務に変更して記載している個所がございますこと、ご理解頂けますと幸いです。

■監査法人複数社から内定を得られた事例

決して楽に内定をもらったというわけではありませんが、転職活動に苦戦を強いられることなく、複数の監査法人で選考が進み、複数の内定を得られた事例をまずは列挙したいと思います。

【1】日系証券会社 個人営業 ⇒ 大手監査法人 金融監査
   30代前半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【2】IT企業 営業&公共機関勤務 ⇒ 大手監査法人 金融監査
   20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆

【3】外交機関 一般事務&秘書 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   20代後半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆

【4】日系通信系企業 法務 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査 
   20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【5】日系IT系企業 法務 ⇒ 大手監査法人 会計アドバイザリー
   20代半ば/男性/USCPA科目合格(2科目)/在籍社数1社/英語力☆☆

【6】日系通信系企業 法人営業 ⇒ 大手監査法人 金融監査
   20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【7】日系エネルギー企業 海外営業 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   20代後半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆☆

【8】外資系金融機関 事務職 ⇒ 大手監査法人 金融監査
   20代後半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆☆

【9】百貨店 バイヤー ⇒ 大手監査法人 金融監査
   30代前半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆

【10】日系電子機器メーカー 物流・購買 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆☆

【11】日系医療機器商社 法人営業 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   20歳後半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆☆

■苦戦しながらも監査法人から内定を得られた事例

大手監査法人1社のみしか選考に進めず苦戦しながらも内定を勝ち得た事例や、大手監査法人では書類選考に進めず、タイミングよく募集のあった中堅監査法人で内定を得られた事例など、転職活動全体として苦戦を強いられた事例を以下にて挙げさせて頂きます。

【1】大学事務&派遣 一般事務 ⇒ 大手監査法人 金融監査
   30代前半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数3社/英語力☆☆☆

【2】日系玩具メーカー 海外営業 ⇒ 大手監査法人 金融監査
   20代後半/男性/USCPA科目合格(3科目)/在籍社数2社/英語力☆☆☆

【3】コールセンター企業 管理業務 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   20代半ば/男性/USCPA科目合格(2科目)/在籍社数1社/英語力☆

【4】ビル施設管理会社 管理運営 ⇒ 中堅監査法人 会計監査
   20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆

【5】Web系企業 SE ⇒ 大手監査法人 会計アドバイザリー
   20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数3社/英語力☆

【6】未就業(アルバイトのみ) ⇒ 大手監査法人 金融監査
   30代前半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数なし/英語力☆☆☆

【7】日系精密機器メーカー 海外営業 ⇒ 大手監査法人 会計アドバイザリー
   30代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆☆

【8】自営業(家族経営企業) ⇒ 中堅監査法人 会計監査
   30代半ば/女性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【9】未就業(学生時インターン経験のみ) ⇒ 中堅監査法人 会計監査
   20代半ば/男性/USCPA科目合格(3科目)/在籍社数なし/英語☆☆☆

【10】派遣一般事務 他 ⇒ 中堅監査法人 会計監査
   30代半ば/女性/USCPA全科目合格/在籍社数5社/英語☆☆

【11】学習塾 講師 ⇒ 大手監査法人 金融監査
   20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

■同じ未経験でもどんな経験が評価されるか

皆様と近しいキャリアの方がいらっしゃれば、その参考にして頂ければと思い、未経験からの監査法人への転職事例を列挙してみました。

ただ、事例を列挙しただけで終了、ではやはり物足らなさを感じてしまうことと思いますので、上記から読み取れることと筆者が感じている温度感から、以下にて未経験の中でも内定を得やすい要素についてお伝えしたいと思います。

【在籍社数はやはり少ないのがベター】

いわゆる転職回数という観点ですが、監査法人は転職回数については一般企業と比較して、寛容に見られがちです。

ただし、転職回数の多さで不安(例えばちゃんと働ける人なのか、何か問題を起こす人ではないか)を抱いてしまうのは一般企業と同じで、転職回数で線引きはしていないものの、経歴書類上の評価における減点ポイントや、面接において厳しい質問の対象になりますで、転職活動に苦戦する要因に繋がります。

未経験では不安だから、監査法人に入る前に少しでも経理や会計経験を積むために、派遣社員やアルバイトでも良いから…、という思いで転職の相談を受けることもありますが、個々の事情で答えが変わることもあるものの、基本的には止めておきましょう、という話をすることが多いです。監査法人で評価されうる経験は派遣社員やアルバイトで積むことは困難ですし、無駄に転職歴を増やすだけですので。

【ビジネススキルの高さが感じられる経験はプラス】

上手く表現がしにくいのですが、管理部門で全社を見れる立場での経験、営業であれば「B to C」よりも「B to B」の経験はプラスに働きます。逆に一般事務や派遣就業が長い、外部との折衝をすることのないプログラマーなど、PCスキルの低さが感じられる業務経験などはあまり評価されません。

大学在学中の新卒採用の活動を除き、USCPAの採用は基本的に中途採用となりますが、会計知識だけでなく、日本の公認会計士にはない強みであるビジネススキルを期待して採用する監査法人や個別の部署も多数あります。

そういう意味では未就業からの就職は難しいのが現状です。通常の中途採用では、マナー研修などを行うことなく監査やアドバイザリーの現場にすぐに入ることになります。未就業の方であれば、日本の公認会計士試験合格者がまとまって入社し研修を受けるタイミング(1月頃)を狙って応募するのが賢い選択とも言えます。

【中小企業よりも大企業での職務経験の方がプラス】

これは全ての監査法人に該当するわけではないことかもしれませんが、採用権限を持つパートナー複数名から直接言われたことでもあります。

特に大手監査法人では監査もアドバイザリーも、クライアントは基本的に大企業がメインとなりますので、大企業の方と同じ目線で話ができる、大企業での業務の流れや意思決定のプロセスを理解している等の観点で、プラスに見られることが多いことと感じております。

もう一つ、新卒で大企業で入社している場合、「(入社難易度の高い)大企業の厳しいスクリーニングを通過して採用された人材」「しっかりとした研修を受けたビジネスマナーがしっかりとした人材」などと見なされることもございます。

【日商簿記2級はあった方がよい】

USCPAが監査法人に採用されたからと言って、USGAAPやIFRSの仕事だけアサインされるわけではありません。むしろ、それだけやりたい、と考えて転職するのであればミスマッチです。

日本基準の仕事も当然アサインされますが、日本の会計を全く分かっていないのと分かっているのとではアサインの幅が違います。それはすなわち、監査法人側として使いやすい人材かどうか、という意味にも繋がります。

未経験の場合は日商簿記2級を保持していることを募集の条件に入れている監査法人及び部門もございますので、なるべくであれば日商簿記2級は取得しておくことをお勧めします。

■最後に・・・

「未経験から監査法人に転職」というUSCPAの方のブログやサイトをよく目にしますが、広告への流動を意図しているものは誇張は感じられるものの、決してそれは珍しい話でもなく、実際に監査法人への転職支援をさせて頂いている方の半数以上は未経験の方です。

未経験から監査法人に転職する場合、USCPA科目合格よりも全科目合格の方が選択肢は広く、英語力は高いに越したことはありませんし、面接に強い弱いなどのソフトスキル、社会人としての経験年数、USCPA以外に保有している資格、学歴の高低、その時々で法人により異なる採用ニーズの高低など、他にも様々な要素が絡んでくるものです。

監査法人への転職において、未経験ながらも自身の経験がどれくらい評価されるのか、当記事が少しでも参考になったのであれば幸いです。

≪USCPAキャリアナビ≫では・・

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