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USCPAの転職~大手監査法人と中堅・準大手監査法人との採用の違い

2024年1月22日
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2017年7月3日 / 最終更新日:2024年1月22日

監査法人への転職を考えているUSCPA(米国公認会計士)全科目合格者の方と面談を行っている時に、「大手監査法人でなくとも中小で構わないので監査法人に行きたい。」「まずは大手の監査法人に応募して、ダメだったら中堅中小の監査法人に応募します。」という言葉をたまに耳にしますが、それらの言葉の背景には大きな認識のズレがあると考えています。

その認識のズレを少しでも解消できるよう、以下に解説をさせて頂きます。

■中堅・準大手監査法人とUSCPA(米国公認会計士)

この記事での中堅監査法人を勝手に定義づけしてしまいますが、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任 あずさ監査法人、PwC Japan有限責任監査法人の四大(Big4)監査法人より人員規模が小さく、百名~千名前後の人員規模を有する監査法人とさせて頂きます。

それら中堅・準大手監査法人の多くは、例えば太陽有限責任監査法人は「Grant Thornton」、三優監査法人は「BDO International」、東陽監査法人は「Crowe Horwath」、RSM清和監査法人は「RSM International」のように、海外会計事務所グループに所属し国際業務を行っております。

海外事務所と連携して日系グローバル企業の海外子会社の監査やアドバイザリー業務、海外事務所からのリファードワーク(海外事務所からの要請に基づき、外国企業の日本子会社の監査を行うこと)など、USCPAが活躍できる仕事も抱えておりますので、USCPAの採用を行っている、既にUSCPAが数名在籍している中堅監査法人も少なくありません。海外市場におけるIPOを支援し、そのまま監査クライアントとして抱え、USCPAのマネージャーが主査として活躍している法人もございます。

ただし、中堅・準大手監査法人におけるUSCPAの採用ニーズは、大手監査法人と比較した場合、限定的で狭き門となっています。

■中堅・準大手監査法人のUSCPA採用ニーズについて

もともと規模が大きくないため、大手監査法人のように大量にUSCPAを採用し、育てていくという余裕はなく、USCPAに限った話ではありませんが、中堅・準大手監査法人の中途採用においては、ピンポイントで即戦力となりうる人材を採用する傾向があります。

例えば、「海外会計事務所との連携が深まり、リファードワークが増加してきたため、ビジネス英語と監査経験を持つUSCPAが欲しい」などのように、大手監査法人よりも求める条件が高く設定され、且つ1名~2名程の採用枠に限定されることもございます。

また、大手監査法人のように、USCPAの中途採用をほぼ通年で行っている法人は少なく、採用枠が埋まったら募集を一旦終了し、人材が必要になったら再度募集を掛ける、というように、不定期な採用になちがちです。

「監査要員が全く足らない!」といった場合でも、公認会計士の代わりにUSCPAを採用することは少なく、これは規模が小さくなればなるほど顕著です。中堅・準大手監査法人が外部から公認会計士を採用しようとしても、大手監査法人でも人手が足らない中では採用をすることが難しいのが現状ですが、必ずしも採用に拘らず、非常勤という形で公認会計士を入れてやりくりしているケースが多く見られます。

「不定期なスポット採用」「採用枠が限られている」「応募水準が高めに設定」の3つの要素を考えると、中堅・準大手監査法人は狭き門であることは確かですが、一方で大手監査法人と比較し、年齢や学歴、転職歴等はあまり制限を掛けることなく、広く面接を行う傾向があり、実際に大手監査法人全てで採用見送りとなった方が、中堅・準大手監査法人で採用となったケースも少なくありません。

募集の間口を大幅に広げて一気に採用してしまおう、というスタンスで採用を行う法人もございますので、そのタイミングにぴったり合えば採用される可能性も高まることと思います。ただし、タイミングと運次第、という要素が強いことは否めません。

■大手監査法人のUSCPA採用ニーズについて

当Topicsページに限らず、弊社サイトや他の転職サイトにも情報が出ている通り、大手監査法人では様々な部門にてUSCPAを採用しています。各法人及び各部門で、またタイミングによって採用意欲に差はありますが、いずれも通年採用で募集活動を行っています。

採用人数も年間10名以上の規模で設定しているところもあれば、特に枠を設けず採用できるだけ採用したいというところもあります。特に2021年の秋頃からは、それまでコロナ禍で採用を控えていた反動もあり採用活動が活発となり、未経験者、他業界出身者も引き続き数多く採用されております(ただし、2023年の春先から徐々に採用ニーズが低くなっております)。

■まとめ

敢えてまとめる必要がはないことと思いますが、総合商社や大手メーカーの本社採用、外資系金融機関やコンサルティング会社など、普通の企業であれば、大手企業や名前の通った企業ほど敷居が高く設定されているところが多く、入社難易度が高いのが現状です。

「USCPAの監査法人への転職」に関してはその逆となっており、通常は狭き門でタイミングと運要素が強い中堅・準大手監査法人と比較し、募集規模が大きく、通年で募集要件をほぼ固定して、且つ未経験でも採用を行っている大手監査法人の方が入りやすいことと思います。

※各法人の名称は全て敬称略とさせて頂いております。

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