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USCPA合格後の転職先(その①:プロフェッショナルファーム)

2024年4月16日
  • USCPA全科目合格
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2017年5月25日 / 最終更新日:2024年4月16日

USCPA(米国公認会計士)試験に挑戦している方の中には、全科目合格後に転職を考えている方も少なからずいらっしゃることと思います。

日本の公認会計士であれば、論文式試験合格後の道筋は毎年11月の試験結果発表の時期に合わせた定期採用で監査法人へ、という流れが出来ておりますが、USCPAの場合は合格時期も人それぞれであるため、公認会計士試験合格者のように大きなイベントが存在せず、広い選択肢がある中で、中途採用の枠で転職活動を行うのが一般的となります。

今回は、「USCPA合格後の転職先その①:プロフェッショナルファーム)」と題して、USCPA全科目合格者が転職している先の中で、プロフェッショナルファームに焦点を当てて解説をしていきたいと思います。

■監査法人(大手及び中堅・準大手)

大手監査法人の監査部門、特に国内外の金融機関向けに監査を行っている部門や、グローバル企業を抱えている事業会社向けの監査チームにおいて、USCPA全科目合格者の採用を継続的に行っており、毎年数多くのUSCPA合格者が監査職として転職をしています。また、会計を軸としたアドバイザリー部門においても、IFRS導入、会計基準変更に伴う決算経理業務の再構築、ロボティクス導入支援(RPA)、データ分析支援など、純粋な会計領域に限らず多様なソリューションを提供するようになり、数年前と比較しスキルバランスは重視するものの、USCPA合格者が転職し活躍する先として主要どころとも言えることと思います。

中堅・準大手監査法人においては、法人により差はありますが、監査職としてUSCPAを採用する法人が複数存在しております。中堅・準大手の監査法人では、監査先として抱えている企業の規模感が小さいことが多いため国内業務がメインとなるものの、海外でもBig4に次ぐ規模の国際会計事務所のメンバーファームとして、海外リファーラル業務や海外関連の業務が入ってくることが多く、そのような業務を任せられるようなUSCPAを採用したいというニーズが発生しています。また、日本を代表するようなグローバル企業を監査先として抱えている準大手監査法人では、USCPAの採用を行っております。

監査法人の監査部門では資格重視の採用を行う傾向が強く、これまでの経験やスキルよりも資格のステータスを重視した採用スタイルとなります。必ずしもライセンスまで取得している必要はなく、USCPA全科目合格者であれば広く受け入れ、選考を行う傾向があります。

■大手税理士法人

大手税理士法人にある国際税務部門の中で、移転価格(Transfer Pricing)アドバイザリーにおけるUSCPAの採用ニーズが高く、毎年数十名の方がこの分野に転職をしております。

税理士法人では税理士有資格者や税理士試験の科目合格者を対象に募集を行うケースが多いのですが、この移転価格アドバイザリーに関しては、税理士資格や試験合格者に拘った採用は行っておらず、事業会社(グローバル企業)出身者やコンサルティング会社出身の方を広く受け入れております。現在在籍している人数の割合を考えますと、むしろ税理士の人数よりもUSCPAの方が多いかもしれません。

そもそもこの移転価格アドバイザリーでは、税理士を含め資格必須とはしておらず、必ずしもUSCPAを必要としているわけではありません。ただし、全てのプロジェクトがクロスボーダーで、英文財務諸表の分析、海外事務所との連携など、業務の性質上、USCPAとの親和性が高いため、英語力や海外業務経験を持つUSCPA全科目合格者の採用には積極的です。(もちろん全科目合格していることが必須ではありません。)

その他、採用温度感や募集要件はそれぞれ異なりますが、関税・間接税及び貿易管理に係わるアドバイザリーサービス部門、米国税務に特化したサービスを行っている専門チーム、大手税理士法人内にある外資系企業向けの会計・税務サービス、会計・税務のプロセス改善支援を行っている部門(若しくは子会社)においても、一部採用ニーズがございます。ただし、税理士(科目合格者含む)を募集対象とするジェネラルな国際税務部門においては、USCPAの採用はほとんどないのが現状です。

■準大手・中小税理士法人、会計事務所

国際税務部門を持っている準大手の税理士法人においては、税務経験を持つUSCPAを採用している法人も一部ございますが、多くは英語力のある税理士及び税理士試験科目合格者の採用がメインとなり、主要どころとは言えません。

一方、中小会計事務所の中には、外資系企業のクライアント向けに会計・税務・給与計算サービスを行っている事務所が東京を中心に複数存在しておりますが、そのような事務所では、海外本社とのやり取りが発生するため高い語学力を求める傾向が強く、入社時の給与面は低くはなるものの、未経験のUSCPA合格者や学習中の方が採用されるケースもございます。

■大手会計系コンサルティング会社

総合系や旧会計事務所系とも呼ばれる大手コンサルティング会社では、コンピテンシー、インダストリーと様々なサービスラインがある中で、経理財務部門向けにコンサルティングサービスを行うセクター、会計・財務セクターと言われるような部門において、USCPA全科目合格者が転職をしております。主に経理財務機能の高度化や業務効率化、決算早期化や決算期の統一化、IFRS導入、内部統制高度化支援などをテーマに、ITソリューションを絡めてコンサルティングを行うようなイメージとなります。

このような会計系コンサルティング会社では、コンサル未経験者の場合は、経理財務、経営企画出身者を好む傾向が強く、USCPAで学ぶ会計知識はツールの一つに過ぎず、USCPAそのものが評価されて採用されることはありませんので、USCPAを具体的にどうクライアントサービスに使っていくかまで落とし込んだ上で、選考に臨む必要があります。

■大手FAS系コンサルティング会社

M&A、事業再生、フォレンジック(不正調査、係争支援など)を軸にコンサルティングサービスを行っている会社ですが、多くはBig4グループに所属しております。

事業再生の分野ではなかなかUSCPAの採用実績は少ないものの、クロスボーダーM&Aや海外企業のデューデリジェンス、海外子会社の不正調査などでUSCPAの引き合いは強いです。ただし、採用の敷居は高めで、監査経験者や経理財務・金融業界出身者等、関連する業務経験者を好む傾向があること、また、志望理由(なぜM&Aなのか、なぜM&Aの中でもその業務なのか等)は面接時に色々な角度から質問されるため、面接前に必ず下準備が必要です。

■中堅~中小独立系コンサルティング会社

中堅以下のコンサルティング会社となりますと、少数精鋭で構成される会社が多いため、資格よりも即戦力性の高い経験者の採用に重きが置かれがちであるため、監査法人や税理士法人、大手コンサルティング会社を経て、転職されるケースがほとんどです。
経験重視ながらも、海外進出支援やクロスボーダーM&A、IFRS、USGAAP等に強みを持っているコンサルティング会社であれば、USCPAを歓迎して採用する傾向があります。

■海外会計事務所、海外進出コンサルティング会社

米国など先進国に所在する会計事務所やコンサルティング会社では、USCPAを採用したいという需要はあるものの、就労ビザ取得の困難さが障壁となり、日本から人材を採用することは少なく現地の就労ビザ、永住権保持者を採用する傾向が強いです。仮に日本で募集を掛けたとしても、ビザ取得に心配のない期間限定のインターンや、就労ビザが申請可能且つ即座に戦力となりうる豊富な経験を持つ方に限られています。

シンガポールや香港では就労ビザ取得が厳しくなったため、ビザ申請に必要な職務経験者に絞られるものの、アジア全域、特に東南アジアにおいては日系企業の現地進出の増加及び加速化を背景に、現地側でそのサポートを行うためにUSCPAの採用を行っている会計事務所も多くございます。現地に進出している、若しくは進出予定の日系企業に対して、現地側で、会社設立、会計、税務、監査、法務、人事、労務、M&A、撤退など、管理機能を包括的にサポートする仕事になります。

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