2017年7月7日 / 最終更新日:2024年10月12日
転職サポートをさせて頂いた方、間接的に関わった方も含め、これまで何千もの経歴書類(履歴書、職務経歴書)に目を通してきました。中には最初から完成度の高い経歴書類を提出して頂ける方もいらっしゃいますが、初めての転職の方など、大半の方には何かしら添削のアドバイスをさせて頂いております。
経歴書類を作成するにあたっては、インターネットで検索すれば、履歴書や職務経歴書のフォーマットはすぐに見つかります。そのフォーマットに従って作成を進め、「よしこれで完成!」と思っても、伝わりにくい内容だったり、体裁がバラバラだったり、そもそも不備が見つかったりなど、第三者が精査して初めて気づくポイントも多々あることと思います。
今回は、経歴書類の添削アドバイスをさせて頂く時に指摘させて頂くポイントについて、筆者の独断と偏見で指摘数が多い順にランキング形式でお届けしたいと思います!
USCPA特有の内容も一部入っておりますが、特にUSCPAに限ったものではありません。皆様が経歴書類の作成を進める際に、是非参考にしてください。
履歴書の職歴期間の年月は和暦、職務経歴書は西暦…、逆のパターンもあれば、職務経歴書内に西暦と和暦の両方が混在している書類もよく見かけます。書類審査の時は、履歴書と職務経歴書の両方に目を通すのですが、西暦と和暦が混在していると、「あれっ平成21年は西暦で何年だっけ?」などと、片方の暦に合わせて考えないといけません。これを考えるのは結構面倒で、「読み手側のことを考えていないな」と思ってしまいます。
別にこれは間違いというわけではなく必須でもないのですが、特に転職歴がある方の場合は、なるべく読み手側に手間を掛けさせないよう、どちらかに統一した方が望ましいです(個人的には西暦の方が好きです)。
このポイントは賛否両論あり意見が分かれます。「必要ないものは書くな!」っていうアドバイザーもいますが、私は「ちゃんと記入しましょう」派です。
履歴書は枠(Excelのセルなど)の中に記入するだけで、志望動機を熱意を込めて書かない限りは、無機質なもの、温度がないものになってしまいますが、趣味・特技を入れることによってそこに温度と人間味が加わります。面接時にアイスブレイクで面接官が使用しやすい、という利点もありますし、面接官が同じ趣味であればそれだけで好感度が上がります。
モラルに反するようなものや、ふざけすぎた内容はご法度ですが、逆に読書、音楽鑑賞などと当たり障りのない内容だと記入する必要がないのですが、「これは語れる!」というものがありましたら、記入した方がベターであると思います(もし読書や音楽鑑賞、ということであれば、ジャンルやどれくらいの頻度で、くらいは補足で入れておいてください)。
もちろん選考にダイレクトに働くわけではありませんが、プラスに働くことの方が多いため、記入しないと損だと思います。
要は「見栄え」の問題ですが、大事なポイントは「統一感」ですね。第1位の暦の問題も広い意味ではこれに含まれるかもしれません。
例えば、「〇〇株式会社(××年××月~現在)」と太字で記載しているのに、他の在籍会社は「〇〇株式会社(××年××月~××年××月)」というように細字で記載している、また、太字細字に限らず、同配列にある記載なのに文字の大きさが違っている、こっちは下線があるのにこっちにはない、なんてこともしばしばあります。
また、大項目と小項目(場合によっては中項目も)で分けて職務内容を記載するときに、以下のようなルールを設定したとします。
大項目・・・■職務経歴詳細、のように頭に「■」をつけ太字表記
小項目・・・【担当業務】、のように「【】」をつける
が、これが守られておらず、同じ大項目で「■自己PR」と太字になっていなかったり、別の在籍企業では≪担当業務≫になっていたり、ということも悪い例です。
意図的にやっていて意味があるのであれば、全てを統一する必要はないのですが、なるべく「統一感」を持たせるよう配慮して頂ければと思います。
「よっしゃ!先月受験したUSCPA最後の1科目に合格できた!」という方が、履歴書に「USCPA(米国公認会計士)取得」と記載すると、最悪の場合、経歴詐称と捉えられる可能性があります。
理由は単純で、まだライセンスを取っていない段階で、「取得」と記載してはまずいんです。正確には「USCPA全科目合格」や、「米国公認会計士試験 全科目合格」などと入れるべきです。「取得」という表記はライセンスを取ってからにしましょう。
また、もし各科目の点数が高い(平均85点くらいからかな)ようであれば、点数も入れておくとプラスですし、短期間でとんとん拍子に合格できたのであれば、それぞれ何年何月に受験したかも加えておくと良いですね。
応募企業ごとに自己PRをカスタマイズして、この企業にはこれにフォーカスした自己PRにしましょう、と指摘することができれば、凄腕のプロだと思いますが、まだその領域には達していません(それには書類審査をする人物を理解しないといけないですから)。ですので、これは一般的な話になります。
さて、よく見受けられるのが、長い文章で色々と書いてあるけど結局何が言いたいんだろう、何を強みとしてアピールしたいんだろう、という自己PR。たくさんアピールしようとして、あれもこれもと書いてしまうとPRポイントが分散してしまい、それぞれが薄い内容になってしまいます。
自己PRの書き方について私が常々伝えていることは、「ポイントは一つでもよいから、自分の持ち味を挙げてください。その持ち味に題名をつけ、その下に(仕事上の)実例を踏まえた補足文を作りましょう。」というものです。また、PRポイントが複数ある場合は、上限を3つに設定し、同様に「題名+補足文」という形で記載するよう、伝えさせて頂いております。
経歴書類を作成する時点で、上記のように自己PRを整理しておくことで、面接の場でもしっかりと伝えられるようになることと思います。誰かの真似事をして書類上は自己PRをうまく作れたとしても、面接時にしゃべれなくなりますので、やはり自分自身の体験談や考えに基づいて作成した方がよいかと思います。
年齢や職歴と比例して職務経歴書の枚数が増えるのは当然でありますが、読み手側のことを考えると、6,7ページにも渡る職務経歴書ですと、最初から読む気がなくなってしまうことと思います。年齢が20代で1社しか経験していないのに職務経歴書が3ページにも渡る、というケースもありますが、それもバランスが取れておらず、決して良いとは言えません。
適正なボリュームがどれくらいかは人によって判断が分かれることと思いますが、1ページ~2ページ半くらいが、個人的には良いのではないかと考えています。
また、ちょっと論点がズレるかもしれませんが、ページ数を少なくしようとして、余白が全くないほどぎっしりと文字が詰まった書類も良くありません。履歴書の枠内はぜんぶ埋めなきゃ、という方もいますが、それも良くないですね。
適度な余白や改行があってこそ読みやすさに繋がりますので、バランスの良い経歴書類づくりを心掛けて頂きたいと思います。
これは短かすぎる、長すぎる、の両方の悪いケースがあります。
通常の5W1Hではないのですが、「どんな会社で(What industry)、どんな部署で(What department)、何を(What)、どれくらいの期間(How long)」の、4W1Hを意識してください。
あくまでも概要や要約を記載するところですので、ここで過度にアピールしようとして、長く記載する必要はありませんが、職務経歴書の冒頭部分で、読み手が最初に目を向けるところですので、経歴のキーポイントになりうる、若しくは応募先に評価されそうな内容をピックアップして作成しましょう。
「~を経て」「~に加えて」「~に従事」「~に携わる」「~を担当」「~を経験」などを上手く使い分けることができればベストです!
これはUSCPAに関連したポイントです。
「USCPAに合格したんだから英語力のアピールは要らないよね」と考える方も少なからずいらっしゃいますが、USCPAだけでも英語力があることの裏付けにはなるものの、読解力の要素が強くビジネスレベルの英語力があることの証明にはなりません。
TOEICスコアの記載も有効ですが、短期間でも海外留学をしていたのであれば、履歴書に付け加えるべきですし、ビジネス実務面で英語を使用していたのであれば、どのようにどれくらいの頻度で使用していたのか、まで職務経歴書内に記載すると、より英語スキルが鮮明になりますので、面接に呼ばれる可能性が高まることと思います。
金融機関やIT企業で勤務していると社内の資格や認定試験など、その業界及びその会社でしか知られていないものも数多いことと思います。
努力して取得した、合格したものなので記載したい気持ちはわかるものの、取得資格を全て記載し、その数があまりにも多いと、「資格マニア」「資格大好き人間」と受け取られてしまう可能性もあり、それは決してプラスには働きません。感覚値では最大7,8つが限度かと思います。
日商簿記1級を取得しているのに、下位の資格である日商簿記3級を記載する必要はありません。ただし、日商簿記3級で初めて経理や会計の道に転職できたなど、キャリアの重要な転機となったものであれば記載しても構いません。
この過ちは書類選考で致命的になりかねないので、添削をする側としても注意して見ていますが、職歴が多い方程、このミスは起こりがちです。
中でも多く見受けられるケースとしては、前回の転職活動時に使用していたものに追記したためか、「××年××月~現在(まで勤務)」が過去の職歴にそのまま使われているというケース。
これくらいであれば、記載ミスだね、で済むかもしれませんが、やはりマイナスポイントとして見られてしまうので、最終的に履歴書と職務経歴書とで整合性をチェックした方が良いですね。
その他、惜しくもランキング外となったポイントをいくつかご紹介します。
・作成日付が半年前のものになっている。
→応募する日付にピッタリ合わせる必要はありませんが、月くらいまでは合わせるようきちんと更新しましょう。
・枠線の太さがバラバラ。
→単純に見た目が悪いです。外枠は太線、内枠は細い線などと統一感を持たせましょう。
・どこかの転職エージェントの名前が履歴書に入っている。
→その転職エージェント経由で応募する以外は、消した方が良いです。
・アルバイトや派遣社員であったのにその旨の記載が全くない。
→これはしっかりと記載しましょう。
・Excelでは枠内に収まってもPDFにした時に枠内に収まらず、途中で切れている。
→Excelベースの履歴書に多いですね。
・職務経歴書に名前がない。
→試験だったら0点になります。
ランキング形式でポイントをざっくばらんにお伝えしましたが、参考になりましたでしょうか?
あれこれと書かせて頂きましたが、最初から完成度の高い経歴書類を作成することは難しいことと考えておりますので、恥ずかしさを捨てて、他の人(第三者)に見てもらった方が良いと思います。
そもそも完成度の高い経歴書類って何だ、という疑問もありますが、私が考えている完成度の高い経歴書類とは、「オリジナリティのある等身大の経歴書類」だと考えています。
アピールしすぎるとそれだけ自分のハードルを上げることになり、入社できたとしても「経歴書類にこの仕事ができるって書いてあったのに、全然できないじゃん」と、干されるリスク、解雇対象になるリスクもゼロではありません。逆にアピールしなさすぎも、面接に呼ばれる機会を損失してしまいます。また、記載されている内容がどんなに立派であったとしても、ネット上に転がっているようなお馴染みの内容ですと「オリジナリティ」に欠け、読む意欲も削がれます。
「オリジナリティのある等身大の経歴書類」を作成するのはとても大変ですが、各人の良さを引き出しつつ、その完成に向けて私なりに精一杯お手伝いをさせて頂ければと考えております。
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