2018年8月29日 / 最終更新日:2024年10月5日
※一部更新箇所はありますが、内容そのものは公開時のものとなります。
USCPA合格体験記もVol.3まで来ましたが、今回の合格体験記も、2018年6月のScore ReleaseでUSCPA(米国公認会計士)試験に全科目合格された方となります。
今回もバックグラウンドから、USCPAを志した理由、学習中の体験、USCPAを目指す皆様へのメッセージまで書き綴って頂きました。
大学では経済学を専攻していましたが、入学時に英語がとても苦手だった反面、国際的に活躍したいと考えていたため、英語の学習に力を入れていました。また、英語力を向上させるため、そして国際感覚を養うため、オーストラリアでの一年間の交換留学にも参加しました。
大学3年の11月、就活を意識し始めたタイミングでUSCPAの学習を開始し、大学を卒業してから3か月後に全科目合格し、監査法人の内定を頂きました。
理由は2点あります。
1点目は、英語力と専門知識を有することを証明できる資格は大きなアドバンテージになると考えたためです。
前述した様に、経済学部に所属している反面、経済学よりも英語の学習を優先していたため、専門知識があまり身についていないとの自覚があり、焦りがありました。これから国際化が進む上で、英語力のみならず自分の得意とする専門知識を身に付けることが国際的に活躍する上で必要不可欠であると考えたため、USCPAの学習を始めました。
2点目は、監査業務に携わりたいと考えたためです。
留学先で日本の公認会計士の方とお話しする機会があったことや、高校の親友で日本の公認会計士試験に合格した友人が監査法人に就職したことから、以前から監査業務について興味を持っていましたし、監査業務の社会的意義について理解していました。監査業務に携わる上で、資格を有していることは大切であると伺ったため、USCPAの取得を目指しました。
<受験スケジュール>
FAR→AUD→BEC→REGの順番で受験しました。私の場合、この受験スケジュールはとても良かったと考えております。特に、AUDはFARの知識をもとに学習を進めていくことが多かったため、FAR→AUDの順が好ましいと思います。また、AUDとBECでは内部統制についての理解が問われるため、BECの学習を効率的に進める上でAUD→BECの順も好ましいと思います。ただ、受験スケジュールは受験者のバックグラウンド、エクスパイアまでの期間などによって大きく左右されると思いますので、他の人のスケジュールは参考程度にとどめることが良いと思います。
<苦労したこと>
【1】簿記の概念の理解
私は、簿記の学習を一切行わずUSCPA試験の勉強を行っておりましたが、FARの勉強は大変苦労しました。予備校の合格者体験記にも記載されていますが、簿記の2級を合格した後にUSCPA試験を受験することでスムーズにFARの勉強にとりかかれるのではと思います。また、人によっては簿記に全く耐性がない方もいると思います。その様な方は、USCPAの合格に大変苦労すると思います。USCPAの予備校の費用は高額ですので、その様なミスマッチを防ぐためにもUSCPAの学習を始める前に簿記の勉強を行うことは重要だと感じました。
【2】勉強方法の確立
1科目目のFARの受験勉強では、試験範囲で一部理解していない部分があったのにも関わらず、暗記で乗り切るという学習を行いました。結果、勉強時間を多くかけた反面、点数もぎりぎりの点数での合格となり精神的に厳しかったです。USCPA試験を学習する上で暗記を行うことは必要不可欠ですが、まず内容を理解した上で暗記を行わないと、多くの勉強時間を割くことになる反面、博打的に試験を受けることになると思います。
また、新試験になり、物事の判断力や考え方を問われる傾向になったにも関わらず、その傾向に合わせて対策せず暗記重視の勉強を行っていたため、途中までとても苦労して勉強していました。試験範囲を深く理解するためには、予備校の授業を聞いて問題を解くだけではなく、教科書を読みこんだり、適宜講師の方に質問したりすることが大切だと感じました。
エクスパイアまでに全科目合格出来たので安心しました。エクスパイアまでの期間は長いようで短いですので、3ヶ月以内に次の科目を受験することを目安に勉強することが良いと思います。私の場合、1科目が合格してから大学の必修科目の学習や卒論などがあり勉強に身が入りませんでした。結果、2科目目、3科目目の受験間隔が5ヶ月程になり、エクスパイアの心配をすることとなってしまいました。
今後は、所属する監査チームのメンバーの方々にご迷惑をおかけしない様に努力して成長することで、将来的にクライアントの方々や法人の成長に大きく寄与できるUSCPAになりたいと考えております。具体的には、リファード業務や国内の業務など幅広く監査業務に携わった上で、アドバイザリー業務も経験したいと考えております。
私は大学在学時から学習を始めたため、大学生でUSCPAを目指す方へのアドバイスを記載したいと思います。
大学生でUSCPAを目指す方はまだ少ないことと思いますが、大学生の方がUSCPAを目指すメリットはとても大きいと思います。経済状況や日本の公認会計士の合格者数に寄る所もありますが、私の様に大学在学時に合格出来ない人でさえ、全科目合格をしていることや若さを評価されて大手監査法人から内定を頂くことが出来ました。私は大学入学時のTOEICの点数も400点ほどと低く、学習の時期も遅かったり学歴も他の受験生の方ほど高く無かったりしたため、在学時に合格が出来ませんでしたが、学習開始の時期が早い方や、英語への苦手意識がない方であれば大学在学中の合格も十分可能であると思います。
監査法人に入所する場合、日本の公認会計士の方と比べて、監査法人入所後の学習量も多く、大変な面も多いと思いますが、監査法人の優秀な方々と業務に携われることはとても貴重な経験だと考えています。
また、USCPAを大学在学中に学習することで、仕事をしつつ学習をするよりも学習に集中することも可能ですので、より短期間での資格取得も十分可能であると思いますし、就職後に学習を継続する場合でも、他の受験生と比べて大きなアドバンテージとなります。
ただ、一点だけ注意して頂きたいのは、USCPAは予備校が宣伝しているほど簡単では無いです。英語力もTOEICのReadingセクションで400点ほど取れる程度や、しっかりとしたビジネスレターを英語で書ける程度は必要だと思いますし、簿記の基礎的な概念も理解しておいた方が良いです。この2点の学習を終えてから、USCPAの学習を始めることで、高額な予備校の費用や受験費用を無駄にせずに済むと思います。
皆様が無事USCPAに合格されることを心よりお祈り申し上げます。
在学中からUSCPAの学習を始める方は、今でこそ増加傾向にはありますが、まだまだ少ないのが現状です。それが故に事例も少なく、合格後に未就業という立場で果たして就職ができるのか、という不安をもってご相談にいらっしゃる方が多いです。
その相談に対応する編集者としても、決してその就職サポートの実績が多いわけではないため、確信をもってアドバイスを行うことが難しいのが現状です。
実際、この方の就職サポートも行わせて頂くにあたって、どこまでサポートが通じるか不安な気持ちがあったことは事実です。「USCPAは社会人経験がないとダメです」なんてことも言われながらも、各監査法人の人事と連携して可能性を模索し、その誠実な人柄と努力の甲斐もあって、無事複数の法人から内定を頂く結果となりました。
合格体験記から話がズレてしまいましたが、半年、1年後にでも逞しくなった姿で再度お会いしたいですね。合格体験記に寄稿頂き有難うございます&ご活躍を祈っています!
※尚、新卒就職には門外漢ですので的確なアドバイスが難しいため、大学在学中の方の新卒就職のサポートは行っておりません。また、原則として社会人経験のある方の転職サポートを行っておりますため、就職に関するご相談はお受けできない時期がございますこと、ご容赦頂けますようお願い申し上げます。
USCPA(米国公認会計士)試験合格者及び学習中の方の転職サポートを行っています。転職活動のサポートから長期的なキャリアプランのご相談まで承っておりますので、まずは気軽にご相談ください。
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