2017年8月19日 / 最終更新日:2024年10月29日
USCPA(米国公認会計士)全科目合格者、USCPA科目合格者の監査法人への転職支援をさせて頂いておりますが、経理財務経験者や会計事務所で勤務していた方もいれば、法人・個人営業やシステムエンジニア、物流管理、サービス業、一般事務、塾講師など、前職のキャリアは様々です。
USCPAの転職成功事例にも一部公開をさせて頂いておりますが、公開していない事例も含め、USCPAに(科目)合格し監査法人に転職した事例をまとめてご紹介したいと思います。
経理財務はもとより、内部監査や経営企画経験者、会計事務所経験者、コンサルティング業界出身者等を除外し、なるべく「会計業界とは関わりの薄い経験」から転身した事例を、2017年からこの7年間での事例を一部挙げさせて頂きます。
※英語力について
☆☆☆ 英語堪能:帰国子女、海外大学卒、TOEIC900以上など
☆☆ 英語上級:短期留学経験あり、仕事上英語を使用、TOEIC800点台など
☆ 英語中級:留学経験なし、旅行で英語を使える程度、TOEIC800点未満
※注:個人が判明することがないよう、前職に関しては類似業界、類似業務に変更して記載している個所がございますこと、ご理解頂けますと幸いです。
決して楽に内定をもらったというわけではありませんが、転職活動に苦戦を強いられることなく、複数の監査法人で選考が進み、複数の内定を得られた事例をまずは列挙したいと思います。
【1】日系証券会社 個人営業 ⇒ 大手監査法人 金融監査
30代前半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆
【2】IT企業 営業&公共機関勤務 ⇒ 大手監査法人 金融監査
20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆
【3】外交機関 一般事務&秘書 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
20代後半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆
【4】日系通信系企業 法務 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆
【5】日系IT系企業 法務 ⇒ 大手監査法人 会計アドバイザリー
20代半ば/男性/USCPA科目合格(2科目)/在籍社数1社/英語力☆☆
【6】日系通信系企業 法人営業 ⇒ 大手監査法人 金融監査
20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆
【7】日系エネルギー企業 海外営業 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
20代後半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆☆
【8】外資系金融機関 事務職 ⇒ 大手監査法人 金融監査
20代後半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆☆
【9】百貨店 バイヤー ⇒ 大手監査法人 金融監査
30代前半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆
【10】日系電子機器メーカー 物流・購買 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆☆
【11】日系医療機器商社 法人営業 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
20代後半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆☆
【12】日系運輸会社 管理系&法務 ⇒ 大手監査法人 会計アドバイザリー
30代前半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆
【13】官公庁勤務 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆
【14】日系金融機関 法人営業&国際部 ⇒ 大手監査法人 会計アドバイザリー
30代前半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆☆
【15】官公庁勤務 ⇒ 大手監査法人 会計アドバイザリー
20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆
大手監査法人1社のみしか選考に進めず苦戦しながらも内定を勝ち得た事例や、大手監査法人では書類選考に進めず、タイミングよく募集のあった中堅監査法人で内定を得られた事例など、転職活動全体として苦戦を強いられた事例を以下にて挙げさせて頂きます。
【1】大学事務&派遣 一般事務 ⇒ 大手監査法人 金融監査
30代前半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数3社/英語力☆☆☆
【2】日系玩具メーカー 海外営業 ⇒ 大手監査法人 金融監査
20代後半/男性/USCPA科目合格(3科目)/在籍社数2社/英語力☆☆☆
【3】コールセンター企業 管理業務 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
20代半ば/男性/USCPA科目合格(2科目)/在籍社数1社/英語力☆
【4】ビル施設管理会社 管理運営 ⇒ 中堅監査法人 会計監査
20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆
【5】Web系企業 SE ⇒ 大手監査法人 会計アドバイザリー
20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数3社/英語力☆
【6】未就業(アルバイトのみ) ⇒ 大手監査法人 金融監査
30代前半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数なし/英語力☆☆☆
【7】日系精密機器メーカー 海外営業 ⇒ 大手監査法人 会計アドバイザリー
30代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆☆
【8】自営業(家族経営企業) ⇒ 中堅監査法人 会計監査
30代半ば/女性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆
【9】未就業(学生時インターン経験のみ) ⇒ 中堅監査法人 会計監査
20代半ば/男性/USCPA科目合格(3科目)/在籍社数なし/英語☆☆☆
【10】派遣一般事務 他 ⇒ 中堅監査法人 会計監査
30代半ば/女性/USCPA全科目合格/在籍社数5社/英語☆☆
【11】学習塾 講師 ⇒ 大手監査法人 金融監査
20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆
【12】英会話学校 講師 他インターン数社 ⇒ 大手監査法人 金融監査
20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆☆
【13】外資系ITサービス企業 営業&営業事務 ⇒ 中堅監査法人 会計監査
20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆
【14】外資系食品メーカー 調達 ⇒ 中堅監査法人 会計監査
20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆☆
皆様と近しいキャリアの方がいらっしゃれば、その参考にして頂ければと思い、未経験からの監査法人への転職事例を列挙させて頂きました。
ただ、事例を列挙しただけで終了、ではやはり物足らなさを感じてしまうことと思いますので、上記から読み取れることとこれまでの転職サポートの経験から、以下にて未経験の中でも内定を得やすい要素についてお伝えしたいと思います。
【在籍社数はやはり少ないのがベター】
いわゆる転職回数という観点ですが、監査法人は転職回数については一般企業と比較して、寛容に見られがちです。
ただし、転職回数の多さで不安(例えばちゃんと働ける人なのか、何か問題を起こす人ではないか)を抱いてしまうのは一般企業と同じで、転職回数で線引きはしていないものの、経歴書類上の評価における減点ポイントや、面接において厳しい質問の対象になりますで、転職活動に苦戦する要因に繋がります。
未経験では不安だから、監査法人に入る前に少しでも経理や会計経験を積むために、派遣社員やアルバイトでも良いから…、という思いで転職の相談を受けることもありますが、個々の事情で答えが変わることもあるものの、基本的には止めておきましょう、という話をすることが多いです。監査法人で評価されうる経験は派遣社員やアルバイトで積むことは困難ですし、無駄に転職歴を増やすだけという事態になりかねません。
【ビジネススキルの高さが感じられる経験はプラス】
上手く表現がしにくいのですが、管理部門で全社を見れる立場での経験、営業であれば「B to C」よりも「B to B」の経験はプラスに働きます。逆に一般事務や派遣就業が長い、外部との折衝をすることのないなど、PCスキルの低さが感じられる業務経験などはあまり評価されません。
大学在学中の新卒採用の活動を除き、USCPAの採用は基本的に中途採用となりますが、会計知識だけでなく、日本の公認会計士にはない強みであるビジネススキル、在籍している業種業界における知見、(プロジェクト)マネジメントスキル等を期待して採用する監査法人や個別の部署もございます。
尚、事例として挙げてはいるものの未就業からの就職は難しいのが現状です。通常の中途採用ではマナー研修などを行うことなく、数日から一週間程度の業務研修を経て監査やアドバイザリーの現場に入ることになるため、未就業者を対象としていないところがほとんどです。中途採用ではキャリアを持った方々と戦うことにもなりますので、卒業後働かずにUSCPAを取得し就職、という考えには個人的には反対派です。
【中小企業よりも大企業での職務経験の方がプラス】
これは全ての監査法人に該当するわけではないことかもしれませんが、採用権限を持つパートナー複数名から直接言われたことでもあります。
特に大手監査法人では監査もアドバイザリーも、クライアントは基本的に大企業がメインとなりますので、大企業の方と同じ目線で話ができる、大企業での業務の流れや意思決定のプロセスを理解している等の観点で、プラスに見られることが多いことと感じております。
もう一つ、新卒で大企業で入社している場合、「(入社難易度の高い)大企業の厳しいスクリーニングを通過して採用された人材」「しっかりとした研修を受けたビジネスマナーがしっかりとした人材」などと見なされることもございます。
【日商簿記2級はあった方がよい】
USCPAが監査法人に採用されたからと言って、USGAAPやIFRSの仕事だけアサインされるわけではありません。むしろ、それだけやりたい、と考えて転職するのであればミスマッチであると考えています。
日本基準の仕事も当然アサインされますが、日本の会計を全く分かっていないのと分かっているのとではアサインの幅が違います。それはすなわち、監査法人側として使いやすい人材かどうか、という意味にも繋がります。
未経験の場合は日商簿記2級を保持していることを募集の条件に入れている監査法人及び部門もございますので、なるべくであれば取得しておくことをお勧めします。
「未経験から監査法人に転職」というUSCPAの方のブログやサイトをよく目にしますが、広告への流動を意図しているものは誇張は感じられるものの、決してそれは珍しい話でもなく、実際に監査法人への転職支援をさせて頂いている方の半数以上は未経験の方です。
未経験から監査法人に転職する場合、全科目合格してからが現実的であると思いますが、英語力、コミュニケーションスキル、社会人としての経験年数、在籍している業種業界、業務の役割や立場、USCPA以外に保有している資格など、その時々の採用意欲やトレンドによって求める人材は常々変化しています。
そのため、事例に挙がっているからと言って今時点で同じ採用があるとは限りません(現時点では未就業での就職は難しいのが現状です)が、監査法人への転職において、未経験ながらも自身の経験がどれくらい評価されるのか、当記事が少しでも参考になったのであれば幸いです。
USCPA(米国公認会計士)試験合格者及び学習中の方の転職サポートを行っています。転職活動のサポートから長期的なキャリアプランのご相談まで承っておりますので、まずは気軽にご相談ください。
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