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USCPAの監査法人転職事例と考察(2018年上半期 Ver.)

2018年6月12日
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USCPA未経験で監査法人に転職した事例のまとめ』という類似した記事を昨年8月に公開させて頂きましたが、若干内容も古くなって参りましたので、情報のアップデートのため、新しく記事を公開させて頂きます。

まだ上半期は過ぎていない中ではありますが、今年2018年の1月からの約半年間におけるUSCPA合格者(科目合格者も一部あり)の監査法人への転職事例をお伝えするとともに、筆者なりの所感や考察を述べさせて頂ければと思います。

今回は半年間という短い期間でもございますので、事例の総数を鑑み、会計業界の経験者も含め事例を公開させて頂きます。尚、今回の記事においても、個人が判明することがないよう、前職に関しては類似業界、類似業務に変更、並びに曖昧性を含んだ記載となりますこと、ご理解頂けますと幸いです。

※英語力についての補足説明
 ☆☆☆ 英語堪能:帰国子女、海外大学卒、TOEIC900以上など
 ☆☆  英語上級:短期留学経験あり、仕事上英語を使用、TOEIC800点台など
 ☆   英語中級:留学経験なし、旅行で英語を使える程度、TOEIC800点未満

【1】日系重機械メーカー 総務 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【2】日系化学メーカー 財務 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   30代前半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【3】日系精密機器メーカー 経理 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   20代半ば/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【4】日系産業機器メーカー 経理 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   30代前半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆☆

【5】日系電子機器商社 法人営業 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【6】日系繊維専門商社 経理 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   30代前半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆

【7】日系電子部品メーカー 経理 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   20代前半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆

【8】日系インフラ系企業 管理部門系職種 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   20代後半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆☆

【9】日系化学メーカー 経理 ⇒ 大手監査法人 事業会社監査
   30代前半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆☆

【10】日系産業機器商社 購買・貿易 ⇒ 中堅監査法人 事業会社監査
   30代前半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数1社/英語力☆☆

【11】日系部品メーカー 経理 ⇒ 大手監査法人 事業会社向け会計アドバイザリー
   30代前半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数4社/英語力☆☆

【12】アルバイトのみ ⇒ 大手監査法人 金融監査
   20代後半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数0社/英語力☆☆☆

【13】日系金融機関 事務企画 ⇒ 大手監査法人 金融監査
   20代前後半/男性/USCPA 2科目合格/在籍社数1社/英語力☆

【14】日系インフラ系企業 営業 ⇒ 大手監査法人 金融監査
   30代前半/男性/USCPA全科目合格/在籍社数3社/英語力☆☆☆

【15】日系重工業メーカー 経理 ⇒ 大手監査法人 金融機関向け会計アドバイザリー
   30代前半/女性/USCPA全科目合格/在籍社数2社/英語力☆☆

【1】~【11】までは『事業会社向け』の監査・アドバイザリー、【12】~【15】までは『金融機関向け』の監査・アドバイザリーという並びにさせて頂きましたが、それ以外は順不同です。尚、1件以外は全て東京での事例となります。

■転職支援を行ってきた筆者なりの所感と考察

全体的な傾向を掴んで頂きたく事例を多めに挙げさせて頂きましたが、上記から読み取れることとに加えて、この半年間で筆者が感じてきた採用温度の変化、その変化に伴いどのように転職を進めるべきかなど、昨年12月に公開させて頂いた『2017年のUSCPAの監査法人転職市場の振り返りと2018年はどうなる?』の記事と絡めて、以下にてお伝えしたいと思います。

【1】事例からの総括

一応、事例も挙げたことですし、簡単に総括を。

面談を行っていると「監査法人へ転職している方って、何歳くらいの方が多いんですか?」と聞かれることも多々あるのですが、年齢的には20代後半~30代前半が多く、事例の平均値をとると29.87歳となりほぼ30歳と言ってよいですね。

ただ、弊社のサポートを利用する方は、何かしら不安を抱えての転職(その不安の一因として年齢が高めである)を行う方が多いと考えておりますので、そのバイアスを鑑みますと、一般的にはもう1歳、2歳ほど若いかもしれません。

また、直近の事例数が少ないため、それ以前の事例や肌感覚も含めての話となりますが、『事業会社監査』よりも『金融監査』の方が異分野からの転職者を受け入れてくれやすいと感じていますし、科目合格者の採用は通常の選考基準に加えて、「ちゃんと全科目合格できる人間か否か」という要素が加わることもあって、苦戦を強いられています。

最後にもう一つ、上記の個々の事例には表記していませんが、事例の3分の1は外国籍の方でした。ここ数年間、外国籍のUSCPA合格者も積極的に採用をしてきましたが、一定数の採用ができたことによって、外国籍枠(厳密に枠があるわけはないと思いますが)が埋まってきつつあります。実際に採用担当者からの声も頂いておりますし、外国籍の方にとっては、厳しい選考に直面する可能性があることと考えています。

【2】大手監査法人の採用はほぼ二極化

これは『2017年のUSCPAの監査法人転職市場の振り返りと2018年はどうなる?』でも触れており、監査法人への転職を考え面談にお越し頂いた方にはもれなくお伝えしていることですが、『監査法人のUSCPA採用のピークは過ぎ、積極採用をしている法人と採用を控える法人とで二極化』している状況です。

そのピークとなったのは2015年~2016年あたりで、当時は大手監査法人全てから内定を得た方も決して珍しくなかったのですが、それからは緩やかな下降線をたどっており、肌感覚ではありますが、2018年6月現在ではピーク時の半分程の採用意欲であることと感じています。

上記の事例は大手監査法人全てを含んでおりますが、実のところ法人及び部署にかなりの偏りがあります。また、大手監査法人への転職活動における、この半年間の一人当たりの内定取得数の平均値も1.9社と、実質2法人から内定を得られれば良い、という状況になっています。(これはあくまでも筆者が支援した方の平均値となり、一般とは異なる可能性があります。)

【3】選考には慎重に臨むべき

監査法人は応募できるパイが限られ、特に大手監査法人は4つの選択肢しかありません。さらっと書類を出して、さくっと面接を受けて、すぐに内定、という時代ではなくなり、全ての法人で積極採用を行っているわけではないため、一つ一つの応募がとても大事になってきますので、選考には慎重に臨む必要があります。

筆者が支援を行う際にも、万全を期して応募の手配と面接に向けての対策を進めさせて頂いているものの、想定外の理由で書類で見送りとなったり、面接で落とされてしまったりすることがポツポツと出始めています。

それでも、この半年間USCPA全科目合格の転職支援を行っていて、監査法人からの内定がゼロという事態はなかったものの、それは単純に運とタイミングに恵まれただけと捉え、失敗を糧とし次の方の支援に活かせるよう心掛けております。

特に最近心掛けている視点を1つだけお伝えするとすれば、『書類の文言や表現、面接における言葉や所作が年齢や経験に見合っているかどうか』という点。

これは、「これだけの社会人経験を積んでいるのに、志望動機が夢ばっかり語っていて現実的に考えられていないよね。」とか、「これだけ仕事をしてきたのに、考えが短絡的で仕事に対して真面目に取り組んでなかったのでは…」など、見送りとなった本音の理由として数多く頂いたことが背景としてあります。

■最後に・・・

半年ぶりに新記事を公開させて頂きましたが、この半年間は個々の転職サポートの対応に全精力を注いできたため、記事作成に割く時間と心の余裕がなかった…というのが言い訳です。

監査法人への転職希望をもってご相談にいらっしゃる方が多いので、今回も監査法人絡みの記事を綴らせて頂きましたが、超売り手市場から厳しい採用の時代に移行する過渡期の中、皆さんが監査法人への転職を考える上で、また、有意義な転職活動を進める上で1つでもヒントとなったのであれば幸いです。

≪USCPAキャリアナビ≫では・・

USCPA(米国公認会計士)試験合格者及び学習中の方の転職サポートを行っています。転職活動のサポートから長期的なキャリアプランのご相談まで承っておりますので、まずは気軽にご相談ください。

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